どんぱちズカン③

 

 

いよいよ会場入り

初めての大会で

右往左往 上下斜め

キョロキョロわくわく

まさに右も左もわからない

アリスワンダーランド状態

 

俺は10mエアプローンにエントリー

50m射撃の石川チームは

会場が違うから知り合いもだれも居ない

単身で乗り込んでるからな

 

イイネ この感じ

敵地に乗り込んできたみたい

ベルリンを思い出すぜw

 

大会人数は総勢で40名くらいかな

こっから競技スタイルに分かれていく

15名くらいは学生

やっと石川県事務局の人発見僕の町!

いろいろ聞いてようやく

落ち着く

 

と その時だったー

 

射撃あるある

荷物がとんでもなく多い

クレーはほとんど荷物ない

裸みたいなもん

 

けどライフル射撃はとにかく荷物多い

銃はもちろんの事 射撃ジャケットから

小物道具や装備にやたら荷物ある

みんなバカでかいスーツケースで移動する

120%旅行と間違わられる

 

そんな中

相手選手と廊下すれ違い様に荷物がぶつかる

あ、すいません とこちらが頭を下げると

ちらっと見て そのまま何にも言わず立ち去る

 

ほぉ

 

やるか?

 

射撃の前に ドンパチやるか?

準備はできてるぞ こっちは えぇ

 

まぁ 許す どうみても年下や

 

自分の射座につくと

※射座 自分のライフルを打つスペースの事

もう先客が

選手がもう待機している

まじめー

号令がかかるまで射座には入れないのに

もう準備している

ハッピーターン食ってる場合じゃねー

俺も待機する

今日はよろしくお願いします。ぺこり

一切返事なし

 

ほぉ

 

 

やるか?

 

こちとらいっさいがっさい準備出来とるぞ

ドンパチやるかコノ

 

まぁいい

号令がかかると

自分の射座に入っていい

すべて英語で進行される

初発までに25分間の猶予が与えられる

10分間でライフルを打つ準備や

着替え 銃の組み立て 調整を行い

15分間試射ができる

それが終われば

競技スタート

60分間のうちに

60発を撃ちきり

点数の争いが始まる

ひっさしぶりの緊張

めっちゃいい

緊張を楽しむってのはまさにこの事なんやな

スタートの合図が鳴り響く

 

さぁいくぞ!

 

 

 

15発撃って休憩すると決めている

計3回とることにしている

目を休めるためと

体温の調整に服を脱いだり

水分とったり 目薬したり

ハッピーターン食ったり

60分の射撃時間をどう使おうが本人の自由

家ちかい人は家帰ってもいい

 

俺は3回休憩とるけど

1回も取らない人もいれば

もっととる人もいる

バラバラ

 

1回目の休憩ターン

多少の緊張もある

俺はいつも出だしがかなりいい

けど、やはりうまく当たらない

まだ片足がアリスワンダーランド状態

 

ちょっと一休み

 

射撃の難しさ

それは

「確信の弾道」

と言われている

たとえば

一発目 10.9点の満点を取っても

常に同じ打ち方してるのに

次の二発目になぜか10.9点が出ない

呼吸

頬付け

肩入り

引き金

同じにしているが

どこかが違うのか

 

つまり

なぜ10.9(満点)が出たか「わからない」

逆も一緒

なんで今外れた??ってなる

※弾丸の不良品もたまにある

クレーは多少のアドバンテージがある

散弾のばらけ幅で皿をかすめる事はある

※この説明ちょっと難しいので割愛

ライフルに偶然の着弾はない

微妙な肩位置のずれ

視線のわずかな泳ぎ

呼吸の吸い込み吐きだしのタイミング

スリング側の静脈の血流の圧迫具合

※スリング 銃と腕を固定している金具

銃身の数ミリのブレが

10m先50m先300m先では

1マイクロが数センチの幅になり

※マイクロ ミリの下

点数がでない

大げさではなく全部本当

どこが違うか

撃ち続けて掴むしかない

なんで今の外れた?と自問自答しながら打ってる

 

 

むむ

 

どうやら

 

雲行きが

あやしい、、ぞ

 

 

つづく